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乳幼児期の子育てに役立つ情報を発信しています。
気軽にお読みください。
患者さんに読んでいただきたい情報を掲載しています。
お母さん、お父さんに実例を通じて事故予防について考えていただければと思います。
症例は主に日本小児科学会のInjur yAlertからのものです。
子どもの病気ナビ
子どもの病気というと、どうしても不安や心配がつきまとうものです。 正しい知識と情報を得ることで、その不安を解消することができます。こちらでは、子どもの病気に関する情報をわかりやすく解説します。
クループ
息がゼーゼーと荒いのは、空気が鼻から肺に入るまでの通り道(気道)が狭くなっている証拠です。
風邪による鼻詰まりでも息はあらくなりますが、注意しないと窒息につながる怖い病気のサインの場合があります。
ウイルス感染で声門の少し下の部分に炎症性の腫れがおこり気道が狭くなるクループと呼ばれる病気です。軽症例が多いのですが、中には入院して酸素が必要なお子さまもあります。
日中は比較的症状が軽く、夜間に呼吸困難が増強するので油断できません。最も恐ろしいのが細菌の感染で喉頭の入り口が短時間で真っ赤に腫れ上がる急性喉頭蓋炎という病気です。これは短時間で窒息する可能性が高い病気なので緊急を要します。
お子さまの息が離れた場所でもはっきりゼーゼーといっているのが聞き取れるような場合、単なる風邪と思わずに受診するようにしてください。
細気管支炎
細気管支炎は、冬に流行する2歳未満の乳幼児、特に6か月前後の小さな赤ちゃんに多くみられる病気です。原因の多くはRSウィルスです。
冬の呼吸器疾患による赤ちゃんの入院の最大の原因となっています。
症状は鼻水、くしゃみ、咳などの軽いものからはじまりますが、しだいに呼吸が浅く早くなり、さらに小鼻をひくひくさせ、胸がペコペコとへこみ(陥没呼吸)、ゼーゼーいう(喘鳴)など呼吸困難が強くなります。
こうなると酸素投与など入院治療が必要です。熱が高くなくても呼吸が荒くなったり、ミルクの飲みがわるくなったりしたら、医療機関を受診して下さい。特に6か月未満の赤ちゃんは要注意です。
胆道閉鎖症
生まれつき、あるいは生後まもなく肝臓で作られた胆汁を腸に出せなくなって、あっというまに肝硬変になってしまう病気です。早期発見がその後の人生を左右する病気のひとつです。
生後1,2か月までの赤ちゃんで、便の色が薄い?(白色、灰白色、クリーム色、淡い黄色など)と感じたら、できるだけ早く小児科医に相談してください。このほか褐色調の、暗い感じの皮膚色(黄疸)で気づかれることもあります。生後1か月までに診断して治療を開始することが望ましいとされています。
腸重積
赤ちゃん(生後6か月から2才ごろに多い)が急に不機嫌になり、泣いたり、ぐったりしたりを繰り返します。しばしば嘔吐もみられます。こういう時には、腸が腸の中にたくしこまれて腸閉塞をおこす、腸重積という病気が疑われます。診断はお腹に腫瘤が触れるかをみたり、浣腸で血便があるかを確認したりして行いますが、一番信頼できるのが超音波検査です。症状が典型的でない例もありますが、診断に時間がかかって発症から1日以上経過すると手術が必要になることがあります。
睾丸捻転
睾丸が、それにつながる血管とともに陰嚢内で回転し、数時間のうちに壊死を起こす病気です。学童期に多く、寝ているときに発症することが多いようです。
激しい痛みで始まり、次第に陰嚢が腫脹してきます。悪心や嘔吐を伴うこともあります。6~8時間以内にねじれを元に戻さないと睾丸が壊死してしまうので、一刻も早く診断して手術しなければいけません。
男の子が腹痛を訴えた時には、必ず陰嚢の痛みでないか聞く必要がありますし、またパンツをめくって陰嚢をしっかり観察する必要があります。
揺さぶられっ子症候群
1歳くらいまでの赤ちゃんの場合、脳と頭蓋骨のすき間が大きく、赤ちゃんを激しく揺すると、その間を結んでいる血管が切れ硬膜下血腫をおこしやすいことが知られています。
その結果、運動障害や知能障害を来たし、場合によっては亡くなってしまわれることもあります。
誰もわざと赤ちゃんをそんなに乱暴に扱うことはありませんね。でも、かわいさあまりに、放り投げるように高い高いをして遊んだりすることはよくあるのではないでしょうか。赤ちゃんは優しくあつかいましょう。
パパ、ママ是非禁煙を
乳幼児突然死症候群の原因に
両親ともたばこを吸わない場合に比べて、両親とも吸う場合は4.7倍、両親のどちらかがたばこを吸う場合は1.6倍乳幼児突然死症候群の危険性が高くなります。この他、気管支喘息、気管支炎、肺炎、中耳炎の原因になったり、身長の伸びや視力の低下、知能発達にも影響することがわかっています。
妊婦さんの喫煙
妊婦さんやまわりの人がたばこを吸うと、低体重児が生まれやすいだけでなく、流産や早産、さらには生まれた赤ちゃんの奇形、発育や発達の遅れなどにつながります。
たった1錠でも乳幼児が誤飲すると重症になる薬があります。
赤ちゃんは好奇心旺盛で何でも口に入れてしまいます。お父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんの薬にも要注意。特に高血圧の薬(カルシウム拮抗剤など)やニコチンパッチでは1錠、1枚の誤飲で子どもが重症になってしまう場合があります。お薬は子どもの手の届かないところに置きましょう。