経鼻インフルエンザワクチン(フルミスト)について
今シーズンはご希望の方には経鼻生インフルエンザワクチン(フルミスト)の接種も行います。従来のインフルエンザワクチンと違い、このワクチンは生ワクチンであり、注射でなく鼻に噴霧するワクチンです。2歳から18歳の人が対象です。
生ワクチンというのは生きたウイルスを用いたワクチンで、鼻に噴霧されたウイルスは自然にインフルエンザに罹った時と同じように鼻粘膜で増殖します。つまり軽くインフルエンザに罹ることで免疫がつきます。
効果は従来の注射のワクチンと同程度とされています。経鼻生ワクチンの長所は、接種に痛みを伴わないことです(ただし鼻への噴霧に強い恐怖心や不快感を示すお子さんも少なくないですが・・)。短所としては、インフルエンザに軽く罹ってもらうので、妊婦さんや免疫抑制剤などで明らかに免疫力の落ちている人には接種できません。また重い喘息の人も発作を誘発する可能性がありおすすめできません。また接種後1週間で咳、鼻水、倦怠感などの感冒症状が10%以上の人にみられ(鼻閉・鼻水は60%)、発熱する人も数%あります。症状のでた人から家族などにうつしてしまうことがあるので、接種後1週間は幼少児や妊婦さん、ご高齢のご家族との接触はお控えください。
以上のような点をよくご検討いただいた上で、従来の注射のワクチンか、経鼻生ワクチン(フルミスト)か選んでいただければと思います。従来の注射のワクチンとの違い等についてはホームページのブログ「ペンギンクリニック航海日誌」にも書いておりますのでご参照ください。